ホーロー(琺瑯)が好きです。
いきなり何の告白やねんって話ですが、独身時代にホーローの良さを知ってから、我が家に少しずつ増えてきたホーロー製品。
何とも言えないレトロなビジュアルはもちろん好き。
さらに、ホーローには見た目だけではない、機能的な長所がいっぱいあるんですよね!
私はこういう機能美、用の美が大好きです!(再びの告白)
今回はそんなホーロー(琺瑯)のメリットや魅力から、デメリットと注意点までみっちりご紹介しますね。
ホーロー(琺瑯)は「いいとこ取り」
ホーロー(琺瑯)は金属の表面にガラス質の釉薬を焼き付けた素材です。
なんでわざわざそんなことをするかというと「いいとこ取り」をするため。
つまり、強いけどサビてしまう金属と、美しいけど壊れやすいガラスのいいとこ取りをした製法なんです。
金属とガラスそれぞれの長所を活かしつつ、短所も補い合うという素晴らしさ。
いいとこ取りって発想、めっちゃ好きやわ
ホーローの歴史は長く、一説によれば、古代エジプトのツタンカーメン王の黄金のマスクが最初期の物と言われているとか。
日本でも飛鳥時代には伝わっていたそうです。
それでも昔は、どちらかというと美しい光沢から、美術品や工芸品として使われていました。
使われる金属も金や銀で、七宝って言われた方がしっくりきますよね。
今のように日用品として実用化されていったのは、日本では明治時代。
一昔前はホーロー製というと、ガラス質がハゲやすいイメージがあったらしく、未だにうちの母にはそれほどウケがよくありません。
なんでわざわざホーロー?って感じで。笑
でも、現在は技術が格段に上がり強度も増しているので、簡単にガラス質がハゲたり欠けて使えなくなるということも無いそうです。
実際、ズボラな私が使っていても、多少のキズはついても決定的に壊れて使えなくなった経験は無いですもんね。
しかもホーローには長所がいっぱい!
ホーロー(琺瑯)の長所
ホーローには長所がいっぱいあるんですが、まずは一般的に言われている長所をまとめてみました。
ホーローは耐熱性・保温性・冷却性に優れている
熱伝導がいいので、お湯を沸かすケトルや鍋での調理に適しています。
耐熱性が高く、揚げ物をするのにも向いていますし、オイルポットにもぴったり!
保温性が高いので、オーブン料理を作ってそのまま食卓へ出しても冷めにくいです(しかも映える!)
逆に、冷却性も高いので、バターなどの保存や冷やすお菓子作りにも適しているんですよね。
ホーローは耐食性・耐酸性が高い
ホーローは酸や塩分に強い耐久性を持っています。
プラスチックなどはどうしても酸や塩分に弱いです。
見てすぐにわかるわけじゃないですが、酸や塩分と反応してあまり体によろしくないモノが溶け出してしまったり、容器自体が劣化しちゃうんですよね。
ホーロー製なら、味噌などの塩分の高い物の保存や醸造でも劣化しません。
そのため化学薬品の調合などにも使われていますよ。
そういえば、保健室のタライとか、消毒液をつけた綿を消毒後に入れる容器ってホーロー製やったね(遥か遠い記憶)
ホーローには非吸着性がある
表面がガラスなので、汚れやにおいがつきにくい上に洗いやすく手入れがしやすいです。
キムチやカレーなど色や匂いがきつい物は、プラスチック製に入れると色は染まるし匂いもなかなか取れませんよね。
ホーロー製なら普通に洗うだけで色も匂いも残りません。
プラスチック製はスポンジで洗っても細かいキズがどうしてもついてしまいます。
使ってたらだんだん白く濁ってくるよね?
ホーローは金属たわし等を使わなければキズもつきにくいので、雑菌が繁殖しにくく清潔に保てます。
ホーローは耐久性が高い
ホーローは内側の鉄と外側のガラスの密着度が極めて高いので、硬く摩耗しにくい素材です。
ガラス質に着色した色も変化しにくいので、いつまでも美しく使えます。
プラスチック製やアクリル製は、久しぶりに使ったらパキッと割れたり、使わずに置いておくだけでも劣化したり変色したりしますよね。
ホーロー製にはそういうことがありません。
私をラクにしてくれるホーロー(琺瑯)
ここまでは、ホーローのメリットとして広く一般的に言われていることです。
ですが、ここからは私が実際に使っているときに感じる、ホーローの良さについてご紹介しますね。
私が持っているホーロー製品は、主に調理器具や保存容器です。
このため、台所で使うことが多いですが、ホーローは料理や片付けをラクにしてくれるところが一番好きなんですよね。
さすがズボラって思った?
ホーローはほったらかしでラク
鋳物ホーロー鍋のル・クルーゼ(Le Creuset)を愛用して20年近く経ちます。
初めて買ったのは定番シグニチャー ココット・ロンド(20cm)。
この色はもう廃盤の色?公式HPでは載ってなかった…
(シルバーツマミには黄色があったけど、色味が違うような気がする)
その後24cmも追加(これは貰い物)
ル・クルーゼ以外だと、ストウブやシャスール、バーミキュラも鋳物ホーロー鍋ですね。
重くてずっしりした鋳物ホーロー鍋ですが、この鍋のいいところはほったらかしで美味しい料理ができるところ。
ホーロー製、しかも鋳物なので保温性はかなり高く、煮込み料理にはもちろんですが、一番オススメしたいのは蒸し煮です。
野菜と肉を入れて、お好みの調味料、少量の水(水分)を入れて火にかけるだけで、素材から水分が出て旨味を引き出してくれます。
- 白菜+豚バラ+酒+醤油
- 玉ねぎ+トマト+ベーコン+白ワイン
- キャベツ+塩鮭+オリーブオイル+レモン+水
このあたりはテッパンでよく作りますが、コツも技術もいらないし、本当に美味しい!
シンプルな味付なので辛味や酸味を足してアレンジもしやすいし、野菜もたっぷり食べられるし、いいこと尽くしです。
じゃがいもやかぼちゃも蒸し煮なら、ベチャベチャじゃなくてホックホク!
美味しい物のためなら手間を惜しまない私。
でも、簡単で手軽にこしたことはないもんね。笑
買う時はたっっっかい鍋だと思いましたが、十分元は取りました。
直接火にかけられてラク
ケトルや鍋に限らず、保存容器として売られているものでも、ホーローはガスコンロやIHで直接火にかけることができます。
【注意】メーカーによっては推奨していない場合があるので、説明書をご確認くださいね。
例えば、ホーロー製容器を直接コンロで加熱して、冷めたら移し替えずにそのまま冷蔵庫に保管することができるんですね。
温め直すときも、また直接コンロで加熱できるので、洗い物も増えず超ラク!
熱伝導がいいので、オーブン料理にも向いています。
グラタンやドリアはもちろん、肉でも魚でも気軽にこれで焼けるし、そのまま食卓に出してもオシャレ!
ちなみに、保存容器などのフタは、加熱対応していないことが多いので注意してください。
食器洗い乾燥機にもフタは非対応だったりします。
洗うのがラク
プラスチック製やアクリル製に比べて、ホーロー製を使っていて圧倒的にラクなのが洗い物です。
プラスチック製やアクリル製って、油がつくと洗剤で洗ってもヌルヌルが落ちにくいでしょ?
落としたつもりが、泡を流すとまだヌルヌルが残ってて…
イーーー!!
ってなる(えっ、ならん?なるよね?)
ホーロー性は表面がガラス質なので、油汚れのヌルヌルも普通の洗剤で洗うだけでスッと落ちるんですよね。
匂いも色も全然つかないので、カレーの保存はホーロー製以外もう無理。
炒めたときの焦げ付きも、オーブンで焼いてカリカリに固まったチーズも、しばらく水に漬けておけばそれだけでスルンと落ちるんだから超ラクです。
ね?
ズボラな私がホーローを重宝するの、わかるでしょ?
ただただ、ラク。マジで
ホーロー(琺瑯)のデメリット
万能に思えるホーローもいくつかデメリットというか、使う上での注意点があります。
ホーローはレンジ使用不可
ホーローは電子レンジで使えません。
ステンレス製品がレンジで使えないように、ホーローも金属、しかも表面はガラスですからね。
個人的に、ホーローは電子レンジ使用を前提にしていないもの(バターケースや味噌ポットなど)に使ったり、直接火にかけて温められる物の保存に使うので、レンジで使えなくても無問題なんですけどね。
レンジで温め直すであろう物はプラスチック製タッパーに入れ、火にかけて温め直せる物はホーロー容器に入れる。
こんな感じで保存するときに使い分けしています。
ホーローは急激な温度変化に弱い
ホーローは高熱にも耐えられる素材ですが、急激な温度変化は破損の元になります。
火にかける場合には、強火でなくても熱伝導がいいので中火で十分ですし、加熱後に一気に水で冷やすなどは避けた方がいいです。
やっぱり表面がガラス質なので、こういう急な変化には弱いですね。
ホーローは衝撃に弱い
ホーローは強い衝撃で表面が欠けたり亀裂が入ることがあります。
昔に比べると強度が上がっていますが、それでも表面がガラスですからね。
欠けたり亀裂が入ると、そこから表面が剥がれたりサビの原因になってしまうんです。
といっても、何かと雑な私でも約20年近く使っていて亀裂を入れたことは1度も無いけどな
また、金属製のタワシやヘラなども表面をキズつけてしまうので注意が必要です。
本来なら非吸着性の高いホーローなのに、キズがつくと色や匂い・雑菌がつきやすくなってしまうので気を付けたいところですね。
焦げつきなどは水にしばらく漬けておけば落とせますし、汚れが酷いときには重曹や酸素系の洗剤(オキシクリーンなど)で落とすことをオススメします。
ちなみに、フチの部分はガラス質の釉薬がかかりにくくサビが出ることがあります。
鉄サビなので人体に悪影響は無いですが、この部分の水気は早めに拭き取っておいたほうがいいですよ。
これは経験上、声を大にして言いたい!
メラミンスポンジって確かに汚れは落ちるし便利ですよね。
でも実はすごく硬い構造のため、素材によっては目に見えないような細かいキズがたくさんついてしまうんですよ。
恥ずかしながら、さっきお見せしたうちのル・クルーゼ、蓋を開けますとね…
黄色の方は、最初の頃に知らずにメラミンスポンジを使ってしまったんです。
結果、やっぱり着色しやすくなってしまいました。
赤の方が後から使い始めましたが、それでも1年ぐらいしか差が無いのに、明らかに黄色の方が汚いでしょ?
幸いすぐにメラミンスポンジを使うのは止めたのでこの程度で済みました。
…まあ、十分汚いけど、普通に使う分には問題ないで
でも、下手したら表面のガラス質が剥がれるような、致命傷になっていたかもしれないので、皆さんは気を付けてくださいね。
弱点はあるけど…
このようにホーローは使う上で注意する点がいくつかあります。
ですが、極端にデリケートだとか扱いにくい素材というわけじゃないんですよね。
むしろちょっと丁寧に扱うだけで長く新品同様に使える耐久性の高い素材なんです。
なので、ホーローの長所をできるだけ長く活かすための工夫だと思ってもらえればいいんじゃないでしょうか。
ホーローを愛する私の今後の野望
今後ももっとホーロー製品を増やしていきたいと思っています。
保存容器がもう少し欲しいな、とか。
平たくてバットとして使えるようなタイプがいいな、とか。
汁物を作ってそのまま保存できるようなタイプもいいな、とか。
ステンレス製の洗い桶に亀裂が入ってしまったので、ホーローの洗い桶も素敵かも…
物欲には限りが無いね!困るぅ〜(困ってない)
プラスチック製やアクリル製に比べると、やっぱり高価に感じるホーロー製。
でも、使うメリットや耐久性を考えれば割高な買い物ではありません。
中途半端に値段で妥協するよりも、こういう丁寧に扱えば長く使える物を大事に使う方が結局はお得。
これまで痛い目を見つつ学んできたことです。
また少しずつ、ホーロー製品を増やして使いこなしていきたいです。
ホーロー製品って、扱いが難しそう・面倒そうと思っている人がいるみたいですが、こんなにズボラな私がラクするために使っている物なんです。
まずは一度使ってみてくださいね。
保存容器が一番使い勝手もいいし、お手頃価格なので試しやすいですよ!
ちなみに私が使っているもので既にご紹介しているものがこちらです。
野田琺瑯の持ち手付きストッカーを味噌ポットとして使ったり。
同じく、野田琺瑯のレクタングルをバターケースとして使ったり。
HARIOのコーヒー豆キャニスターもホーロー製ですね。
それぞれ、実際の使い心地や使い方を詳しくご紹介していますので、よかったら見てみてくださいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました
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